この島の最東端には、島の住民誰もが知っている天然芸術家、セワーガ・カリサンの制作現場がある。
彼女は、主にレンガとセメントを使ってオブジェ制作をしているのだが(下記画像参照)島民の噂では、制作中の彼女は何かに乗り移られたかのような、まるで人間とは思えない集中力を発揮しているように見えるという。
今回私がこの島に来た目的は、そんな彼女の制作現場を取材し集中力を生み出す原動力を探ることだった。
私が制作現場にたどり着いた時は、まだ時間が早かったせいかそこには彼女の姿は無かった。
私は彼女が来るまでの間、制作現場を観察することにした。
【セワーガ・カリサンの作品例1】

【セワーガ・カリサンの作品例2】

すると、観察を始めて数分後、思いもかけない事実が私の眼前で展開されたのである。
妖精だ。妖精が表れたのだ。
fig1.貴重なたらいの精の写真

世話係の底知れぬパワーの原動力となっている物の正体がようやく私にも理解出来た。あれは噂に聞くたらいの精に違いない。
茂みの中に隠れて森と同化した私は、息を潜めて夢中でシャッターを切った。
たらいの精はリラックスしているように見えた。野生動物には必ずと言っていいほど備わっているはずの警戒感が、たらいの精には見てとれなかった。
fig2.警戒感は感じられない

しかし、突如たらいの精がこちらを向いた。まさか森と同化し、一本の枝となっている私の気配を察知したというのか!?
fig.3察知

もはや、長居はしていられなかった。これ以上の取材はたらいの精の生活環境の破壊に繋がりかねない。私が出来ることは彼らをそっとしておくことだけだ。セワーガ・カリサンには会えなかったが機会はまだある。
私は出来るだけたらいの精を刺激しないようにその場を離れることにした。
fig.4たらいの精との別れ(また会えるさ。涙はいらない)

今回の出会いは私に多くのことを教えてくれた。
孤高のクリエイター、セワーガ・カリサンの集中力の源となっているたらいの精。いや、もしかすると、たらいの精こそ、セワーガ・カリサンそのものなのかもしれない。
たらいは水を張っておくだけ為の物ではなかった。そこには、現代社会で生きる私達が忘れかけていた何かが存在しているのだ。
たらいを見かけたときはよく観察してみるといい。あなたにもきっとたらいの精が見える筈だ。
by家来壱
ボルゾイ伝説CLASSIC
初投稿:2007年09月17日
「UMAを追え!」シリーズです。妖精であれUMAであれ、探検隊が未踏の土地で未知の生物を追うというシチュエーションは胸躍る物があります。未開のDJにこれからもどんなUMAが
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